
第6回 笑ひめ


生みかんサワーで爽やかに乾杯。愛媛の美味しさ、浅草で発見!
着物風ユニフォームの上から割烹着を着て、お客さんをお迎えする中田美香里さん。その姿から、地元浅草の人かな? と思ってしまいそうですが、実は愛媛出身の女将さんなのです。
愛媛をアレンジして、店名は「笑ひめ」。愛媛といえば、みかんなどの柑橘類が美味しいことでも有名ですよね。
美香里さんが取り寄せたフレッシュなみかんやポンカンでつくるサワーが女性にも人気で、おつまみには愛媛のソウルフード、じゃこ天やじゃこカツもラインナップ!
みかんをイメージした箸置き、柿の木でつくったお箸など、ちょっとした小物にも愛媛への郷土愛と女性ならではの感性がさりげなく表現されています。
そういえば、女性オーナーシェフのお店は久しぶり!
「前職で大変お世話になった浅草の老舗の女将さんがいまでも憧れの人なんです。確かに、女性ひとりでお店をはじめることで、オープン当初は少し不安もあったのですが、地域の人の支えやいいお客さんに恵まれて本当に感謝しています」
美香里さん自身、浅草で仕事をはじめてもう何年にもなりますが、今では浅草が大好き♪
「おみこしを担いだこともありますょ。浅草って、いい飲食店がいっぱいあるでしょう? お客さんからも『あのお店、美味しいから行ってごらん』とか言われて。その影響で、こちらに引っ越してからハシゴ酒が好きになりました(笑)」


お客さんどうしの会話もはずむ、ほどよい角度のカウンター。
7席のカウンターがメインの店内は、早い時間帯から地元浅草のお客さんで賑わいます。
美香里さんはお客さんから「女将」と呼ばれることもありますが、ときには親しみをこめて「みかんちゃん」とか、「みかりちゃん」と話しかけられます。年齢からも、ルックスからも、フレンドリーなキャラからも、誰も「お母さん」とは呼びません。
愛媛産の焼酎がすすみ、小鍋をつつきだす頃になると、いつの間にか横のお客さんどうしが話しだし、カウンター全体が盛り上がっていました。そして、美香里さんも料理をしながら、ときどき会話に参加。美香里さんを扇の要として、愛媛のことや浅草のことで楽しい会話がはずみます。
うーん、しみじみとあたたかな空気感ですね。
「このカウンターの角度がいいんですよね。L字型なんですけど、少し開かれた角度になっているので、カウンターに座ると、みんなの顔が見えるんです」
いやいや、カウンターの角度だけではないと思いますよ。
生ビールの泡をクリーミィにしてくれる手間。割烹着姿でフライパンを振る粋なかっこよさ。お客さんからのお酒で乾杯して盛り上がる自然さ。そして、ときどき見せてくれる、みかんみたいな笑顔がこのあたたかい空気感をつくっているのですネ。
「笑ひめ」――この店名にナットク! の夜でした。

このきめ細かな泡を見よ! 丁寧に生クリームのような泡をつくってくれます。ノドが鳴るほど、うまい!

愛媛のソウルフード、じゃこ天。これをつまみに、愛媛産柑橘類のサワーを飲むのが、笑ひめスタイル!

絶妙な角度で、お客さんどうしがすぐに仲良くなれるカウンター席。ひとり飲みには、最高の居心地ですネ。

- 笑ひめ
- 東京都台東区浅草4-8-2
- tel.03-3871-3482
- 営:17:30~翌1:30(料理L.O.23:30)
- 休:日曜日
- 交:各線浅草駅徒歩7分
「えひめ」で検索して「笑ひめ」を知り、出張の際わざわざ来店された愛媛の県庁職員さんもいるそうで、やはりお店のネーミングって重要なんですね。さて、次のお店をご紹介いただきました。「とても素敵なご夫婦で営まれているのが『居酒屋まんてん』さんです。ホッとできるお店で、美味しい泡盛もありますよ」。おっおっと、泡盛ですか! ありがとうございます。では次回、「居酒屋まんてん」さんでお会いしましょう!