
第20回 ノノ チェルキオ


ラーメン並みの価格設定。「洋食は高いから」を払拭するために。
上板橋の「パステロ ルナ」、練馬の「ヴァン セレーノ」、そして高円寺の「ノノ チェルキオ」と、個性的なレストラン3店舗を展開している樋口富士男さん(写真:左)。
社員が成長したタイミングで、その人の個性にあったレストランを共に考えながら、新店としてオープンさせる。この方法で、3店目を迎えたわけです。
「ノノ チェルキオ」のコンセプトは、若い人にワインをガブ飲みしてもらおうというもの。そのためにも料理はしっかりしたものをリーズナブルに提供しています。
「高円寺にはリーズナブルな業態がたくさんあります。どんぶり屋さんとかラーメンとかね。焼き鳥店も多いですね。地元の若い人たちに『どんぶりや焼き鳥は安いからいいけど、洋食のお店は高いから……』というイメージを払拭していくのが、私たちの目標でもあります」と樋口さん。
メニューにはそうした経営者の考え方が反映されていました。
まず19時までに入店したら、1ドリンク100円!
さらに、ピッツァのページをめくると……。
マリナーラ(アンチョビ・にんにく・オレガノ)が400円。マルゲリータ(モッツァレラチーズ・バジリコ・オレガノ)が550円。
牛丼やラーメン並みの価格設定ではありませんか!
「メニューはますます充実させていきます。一軒目から迷わず、イタリアンで行こうなんて、思っていただける店をスタッフみんなでつくっていきますので、よろしくお願いします!」と新井シェフ。


シェフは新メニューに取り組みながら、全員で自分「らしさ」を表現。
それにしても、高円寺にはアットホームなお店が多いですね。
全国展開しているようなレストランはむしろ少数で、前回登場していただいた「マルキュウ」さんや今回の「ノノ チェルキオ」さんのように、地元を大切にしてあたたかいサービスで若い人を迎えているお店が多い。
この日も、早い時間帯から若いグループが来店していました。一軒目からイタリアンでガブ飲みだぜぃ!という若者がここ高円寺で徐々に増えはじめているようです。
一階のバールスタイルの空間にはピッツァ窯があり、二階がテーブル席のあるダイニングとなっています。
全員、ピッツァを焼くことができる「ノノ チェルキオ」チーム。みなさん、どこかほんわかしたキャラで、とてもあたたかみがあります。自分たちのやっている仕事に納得し、自信をもっているのでしょう。
「少しずつ、私の経験を活かしたメニューを増やしていこうと思っています。えっ! こんな料理をこんな価格で?と思っていただけるお店としてさらに磨きをかけてまいります」と新井シェフ。
ときどき、ワイン試飲会も開催中。
「ワインのインポーターさんから勉強させてもらえるのがいいですね。それから飲食店の店主のみなさんにも参加してもらっているんですよ」
えっ? 同業者、つまりライバルまで呼んで試飲会ですか。
「飲食店同士のつながりは、情報収集のためのいい機会でもあるんです。いい意味で競争しながら、高円寺の飲食シーンをみんなで盛り上げていけたらいいと思っています」

1階にはピッツァ窯があります。スタッフ全員がピッツァを焼ける中、この日は店長の松本さんが焼いてくれました。

マルゲリータは驚きの550円! メニューには「少し小さめのサイズです」と書かれていますが、どこが!?といいたくなるボリューム感でした。

1階はカウンターをメインとしたバールスタイル。ゆったり派やグループでワイワイ派には、この2階のテーブル席がおすすめです。

- ノノ チェルキオ (no-no CHERCHIO)
- 東京都杉並区高円寺南4-24-11 宝山ビル 1・2F
- tel.03-3317-7799
- 営:17:30~翌2:00
- 休:無休
- 交:JR高円寺駅徒歩3分
ピッツァやパスタを、ラーメンやどんぶり並みの価格で提供している「ノノ チェルキオ」さん。しっかりしたコンセプトに基づいた中、スタッフのみなさんのフレンドリーなサービスが印象的でした。さて次回は?「西荻窪のベントルナートさんをご紹介したいですね。勉強熱心なお店で、とてもあたたかいサービスが魅力的なんですよ」。ありがとうございます。西荻窪ははじめての駅。そんな街並みに、どんなお店が立ち並んでいるのか、いまから楽しみです。