
第81回晴れときどき・・・


もつ焼き+クラフトビール+自然派ワイン。今までなかった新業態。
「晴れときどき・・・」と書いて、「はれときどきてんてんてん」と読みます。なんだか絵本のタイトルみたいで、物語の中へ誘われるような気分になりますね。
オープンしてまだ3ヶ月!
中野エリアで長年店長職を経験してきた中島雄さんによる、独立第一号店です。
なによりも業態そのものが新しい!
「もともとクラフトビールや自然派ワインが好きだったんですが、ある日、個人的なお楽しみとして、もつ焼きにIPAを合わせてみたら、とてもよく合ったんですね。アルコール度数が少し高めで、香りや味わいにパンチが効いているIPAは、新鮮なもつ焼きをさらにおいしくしてくれることが分かって……。それで独立のときは、クラフトビールや自然派ワインで楽しむもつ焼きのお店をコンセプトにしてみようとおもったんです」
タップで注がれるのは、定番のキリンハートランドと本日のゲストビール。ちなみにこの日は、「埼玉県こぶし花ビールIPA6.5%」でした。ボトルで提供される国産クラフトビールも約20種類をラインナップしています。
ワインリストも充実しています!
国産をメインに、カラダにやさしい自然派ワインがずらり♪そのほかにも、フランスで活躍されている日本人醸造家のパイオニアでもある新井順子さんによるワインも、こちらで楽しめます。
で、もつ焼きはというと……。1本の串に、コースの多彩さを表現しています。
例えば、タンの串では、ひとくちめ、つまり串のいちばん上に刺されているのは肉汁がはじけるような部位、いちばん下にはさっぱりとデザート感覚で食べられる柔らかい部位を細かく切って刺してあります。


独立する方が大変。でも、すべてがよろこびにつながる。
南欧の小さな島に建つ一軒家レストランみたいなイメージ。カウンターのタイルも自分たちで一枚いちまい貼り付け、壁塗りの作業も行いました。天然木の素材感が生きたシンプルモダンな店内は、いわば中島さんによる手作り空間です。
「それだけに、愛着がわきますね。企業の一員として雇われていた時代にはなかった感覚です」
前職の店長時代は、やらなければならない仕事が山積みで毎日とても大変だったそうです。
発注、シフトづくり、数字管理、人の育成、店長会議……。
「でも、今ふりかえると、ラクだったんですね(笑)。独立してからの方が仕事量は絶対的に増えました」
今は、経営者でもあり、料理やサービスを提供するプレイヤーでもあるわけです。
「プレイヤーとしてのよろこびが日々大きく膨らんでいます。丁寧に焼き上げたもつを一口食べて『うん』って唸っている表情を見るととても嬉しいし、クラフトビールっておいしいねって言っていただけるとホッとします。先日も、地元の女性がひとりで立ち寄られて、後日両親とご一緒に再訪されたときは、本当に感謝の気持ちがあふれてきました。雇われて店長やっているときも妥協しているつもりはまったくなかったけど、やはり独立するとすべてが変わってくるんですね」
店内も、中島さんも、清潔感にあふれています。接客のスタイルは「お客さまとお店の関係を崩さないこと。なれ合いにならないこと」。
今後は、経営者として新業態の出店も視野に入れています。
「この1年は、しっかりと地盤を固めて、スタッフと共に成長できる環境をつくっていければと思っています」

女子会でも利用されるテーブル席。クラフトビールや自然派ワインで乾杯しながら、もつ焼きを楽しむ新感覚グルメをぜひ!

これから焼き上げる前のタン串を拝見。はじける肉汁や食感を楽しめるように1本の中に部位の特長を凝縮させています。

南欧の白い建物を彷彿とさせる空間は、清潔そのもの。女性ひとりでも気軽に立ち寄れるカウンター席は特にオススメです。

- 晴れときどき・・・
- 東京都中野区東中野4-26-10
- tel.03-3371-3777
- 営:17:00~翌1:00(L.O.24:00)
- 休:月曜日
- 交:東京メトロ東西線落合駅徒歩3分
「晴れときどき・・・」は、中島さんと布施有美子さんとの共同経営でもあります。その布施さんは、既に4店舗を経営されていて、次のお店はそのうちの1店舗にうかがってこようと思っています。「経営者として着実に出店を果たし、実績を伸ばしている方なので、きっと面白い話しが聞けると思いますよ。ご紹介する『晩酌処・・・』は、日本酒、それもカップ酒も取りそろえたちょっとユニークなお店です」。ありがとうございます。それでは次回、中野の「晩酌処・・・」でお会いしましょう。