
第8回 とんかつダイニング弥生(やよい)


はいっ、ごはんとおみそ汁、どうぞ♪
カウンター越しにどぉーんと手渡しされる定食屋さんならではのライブ感。いいですよね。
いただいたのはランチの「ロースカツ定食(上)」。目の前で揚げてくれるカツは、厚みもあって、サクサク&ホクホク♪ ローズならではの脂身にかぶりつくと、う~ん、甘~い味わいがたまりません。キャベツ、ごはんと口にかっこんでいきます♪
創業は昭和15年。冴子さんご夫妻で、三代目となります。揚げ物担当は、ご主人の米林雄二郎さん。
「先代からのレシピを受け継いでいます。豚肉、ラード、パン粉、卵、キャベツ、大切なオリジナルソースも昔のままです。あそうそう、ごはんだけは私の故郷、石川県金沢のお米を使用しているんですけどね」
雄二郎さんは、金沢の加賀野菜を取り寄せ、紹介しています。季節ものもありますが、通年入荷する人気の「金時草」のおひたしもいただきました。焼酎にバッチリ合いますね。
お昼の12時前には、ほぼ満席状態に。ランチのラストオーダーまでひっきりなしにお客さんが訪れます。家族連れやビジネスパーソン、地元のおばあちゃんもとんかつ定食をペロリと平らげていました。
そういえば、ここのとんかつは揚げるラードがいいためか、オリジナルソースがサラりとしているためか、冴子さんの笑顔が素敵なためか(笑)、とても食べやすく胃にももたれません。
二日酔いでも食べられる! それが「弥生」さんのとんかつの魅力だと実感しましたぁ。


ビフォーアフターに出演したおふたり。先代に、匠に、感謝しながら。
おふたりは、お店を改築するためにTV番組「大改造!! ビフォーアフター」に出演(2006年2月26日放映)しました。
匠の倉橋英太郎氏によって、和モダンなダイニングへと装いも新たにリニューアルオープンしたのです。
「どんな空間になるのか、本当にドギマギしながら心待ちにしていた毎日でした」と雄二郎さんは振り返ります。
「新しい店内を見ることができる当日、まずタテ格子の外観に感動しましたね。昼は格子の内側から通りを行く人々が適度に見えて、ディナー時になると逆に外から店内の様子がほどよく見える。すごく計算されているんですよね」
「珪藻土や空間のカラーリングがとても洒落ていて、匠にお願いして大正解でした!」と冴子さんもリニューアル当時を思い出します。
「お客さんから人気者だった母が着ていた、想い出の着物の布地を椅子の背もたれにあしらってくれたり。匠は、看板を引き継ぐ三代目の私たちに、ほんとうにすばらしい空間をプレゼントしてくれました」
下の写真(↓)で、ビフォーとアフターを見比べてくださいね。
料理のサンプル棚があった下町の定食屋さんっぽい先代の外観も味わいがありますが、リニューアルしたお店の外観はこれまた趣きがあって、素晴らしいではありませんか。
ビフォーアフターの後も、とんかつの味とおふたりの笑顔はいつまでも変わらないのですね。

これが加賀野菜の「金時草(きんじそう)」。これをつまみにカツが揚がるのを待つのも、粋ですね♪

ビフォー 改築前 →→→→→→創業からの店構えは、昔ながらのとんかつ屋さんといった趣でした。

アフター 改築後
2006年、匠によって劇的に変化!モダンなタテ格子がお洒落ですね♪

- とんかつダイニング 弥生 (やよい)
- 東京都台東区浅草3-12-4
- tel.03-3873-4743
- 営:ランチ11:30~14:00
ディナー18:00~24:00 - 休:不定休
- 交:各線浅草駅徒歩5分
加賀野菜のメニューをプラスして、ますますパワーアップするとんかつ「弥生」さん。入荷したばかりの加賀野菜「金時草のおひたし」、これがまた旨いんです♪ 機会があればぜひお試しあれ。さて、次回訪問させていただくお店をご紹介いただきました。「『炭火酔家 さと』さんは、浅草の穴場的やきとり屋さんです。手羽焼きは、絶対のおすすめです」。お店のご主人は、冴子さんがスイミングクラブに通っていたころの先輩なのだそうです。浅草らしい人と人とのつながりですね。それでは次回、「炭火酔家 さと」さんでお会いしましょう。