
材料ロス
食材の管理ミスや調理ミスで生まれる原価の損失のこと。材料費を正確に把握する前提条件は、各メニューの食材の使用量を決めておくことである。それがレシピである。正確な原価には、正確な棚卸しが必要。注文通りの食材が納品されたかどうか、納品時の検品が大切である。今月使用高は、前月末在庫高+今月仕入高-今月末在庫高=今月使用高と出せる。今月のメニューの出数から算出される標準原価率、仕入高と実施棚卸しに基づいた実際原価率との差異をロスという。ロスを防止するためには、冷蔵庫の温度、湿度の管理、配置の方法を考慮して、先に仕入れた食材から使うようにすることが必要だ。技術的な面では、訓練を通じて調理技術を磨き、分量管理の弱さを克服することが必要になってくる。
先入れ先出し
納品された食材を、先に収められたものから使用すること。材料の無駄をなくすことが目的である。生鮮食品や乳製品を多く使用する店では、鮮度を保つ技術開発を進めると同時に、常に納品された順に使用する習慣と、食材管理の仕組みを持つ必要がある。“先入れ先出し”の思想を徹底するためには、教育・訓練と共に、後方部分の設備の開発と並べ方をどう進めていくかが大切である。冷凍庫、冷蔵庫、ストアレージ(storage/常温倉庫)の陳列方法をまず決定する必要がある。先に搬入されたものから、ちゃんと先に出せるように棚を作ることから準備する。生鮮品に限らず、冷凍品も時間経過とともに品質が変化するので、先入れ先出しを守らなければならない。
サブリース
サブリース(=転貸借)とは、物件のオーナーが不動産管理会社などと賃貸借契約を結び、さらにその不動産管理会社が第三者である使用者と賃貸借契約を結ぶ形式。この契約の場合、オーナーと使用者には直接の契約関係は発生しない。

CS
顧客満足のことをCSという。Customer satisfactionの略。顧客が求めている商品やサービスを提供すること。顧客の満足度合を顧客満足度という。生産性・効率よりも顧客満足度を重視したほうが店のリピーターは増えるとされ、1980年代頃に米国から広まり始めた概念。
シェフレスキッチン
料理長をおかずに調理のオペレーションを確立したキッチン。最近では、クックチルシステムや真空調理など、食品加工技術が発達し、飲食業界や学校給食・病院給食などの分野で調理済食品が多く流通するようになった。その結果、キッチンにシェフを配置しなくてもオペレーションが可能となった。セントラルキッチンの充実や、パートタイマーの雇用が多くなってきたことも、シェフレスキッチンが増えてきた理由とされる。腕利きのシェフが不要になるため、経営上のコストを抑えられるというメリットもある。
シェリー
シェリーとは、スペインの南部アンダルシア地方のへレスという町とその周辺だけで作られるワインのこと。その地域だけで作られるワインだけシェリーと呼ぶことができる。食前酒としても用いられるシェリーは、パロミノ、モスカテル、ペドロ・ヒメネスの三種類のブドウからつくられ、熟成度や製法の細かな違いからラベルがいくつもあるが、大きくは甘口、極甘口、辛口の三種類に分けられる。シェリーは最低3年から長いものでは100年以上と熟成期間が非常に長く、ソレラ・システムという方法で熟成される。ちなみにシェリーのソムリエに当たる人をベネンシアドールと呼ぶ。
ジビエ
狩猟によって食材として捕えられた鳥類や獣類。多くのジビエは捕えられた後、熟成させられる。銃弾で可食部を傷めないようにしたり、血抜きなどの処理も適切に行う必要があるため、プロの手でなければ狩猟は難しい。動物は、冬に備えて秋に食材を蓄えるためジビエの旬は秋。
商標
商標(トレードマーク)とは、取扱い商品やサービスなどを、他社製品やサービスと区別するために使用するマークを指す。商標の登録には文字・図形・記号などの組み合わせも許されており、通常は特許庁で行われる。フランチャイズにおいては、加盟社が本部の使用許諾を受けるのは商号ではなく商標である。加盟者はその商標の対価として加盟金を支払うことになる。

スクラップ&ビルド
店舗を一度取り壊して新たに造り変えること。その目的は、住宅事情や立地状況の変化に応じて、店舗の形態をそれに適合させることにある。また、幹線道路や駅などができることにより、来店する客層の変化に対応することも必要とされる。さらに、余剰設備を抱えた店舗の場合、採算を合わせるためにスクラップ&ビルドを行うこともある。

セントラルキッチン
食材の第1次加工を集中して行う調理工場。セントラルキッチンは、味の均質化と店舗段階の調理加工量をできるだけ削減することを目指してつくられる。経営規模が大きくなった場合に、店舗の仕込みを省いて、一つの施設で集中して行う。それによって店舗での作業時間が短縮され、働く者の数や労働時間も縮小される。1次加工は機械によって行われるので、作業力が大幅にアップする。店ではスタンバイ(仕込み)のスペースが減って、店舗施設の投資を抑えられる。最も大きな成果は、ソースやスープなど1人の優秀な味付けの名人芸を1か所で行い、その味を全店で実現できることである。しかしながら、セントラルキッチンでどんなに美味なソースができても、店舗でそれを再生する調理技術も同時に必要である。味はあくまでも人によって作り出されることを忘れてはならない。
